今回は今でも変わらぬ人気の第五世代”シボレー・コルベット”通称C5”の症例をご紹介致します。
オーナー様より、走行中に”ギャーギャー”音がするとのことで即時作業ご希望で入庫いただきました。この「音」については本当に判断が難しく、オーナー様と一緒に確認できた時点から原因の探究が始まります。オーナー様からはその音が左後方より聞こえるとのことで、ブレーキ摩擦の疑いがあることから点検をお勧めしてお預かりすることに。
申告事項に基づき点検を実施、するとブレーキ周りは問題ないことが判明しました。こうなると丹念に原因を探究する必要が出てきました。
オーナー様より”暖気後には症状が弱くなる”とのお話も頂戴していたため、最も疑わしいエンジン各部のベルト類補機類を丹念に調べます。
補機類のベルトを取り外しエンジンを始動して確認したところ、異音は発生しないことが確認できました。目視にてチェックするとクランクプーリーが異常に振れて回転していることを確認。
クランクプーリー〜別名「ハーモニックバランサー」は本体とプーリー部がゴムで封入固定されており、回転時の衝撃を和らげる部品です。
この部品が劣化すると、本体とプーリー部がズレてベルトのアライメントが狂い異音が発生します。
症状を改善させるには、プーリーの交換が必要となりますが、作業クリアランス確保のために補機類を中心に多くのパーツを脱着するため、多くの工数を要する大規模な工程となってしまいます。
プーリーを外すにあたって、プーリーの前面にはステアリングギヤBOX・オイルクーラーの各配管が存在しているため、それらを外す必要があります。
エンジン補機類・冷却水・各油脂類を抜き取り、冷却ホース・配管・ステリングギヤBOXを取り外します。
ある程度プーリーにアクセス出来るようになったら、プーリー取り外しに掛かります。
プーリーは高い締付トルクで固定されていますので、スターターモーターを取り外し、リングギヤに回り止めを施した上でプーリーボトルを緩ませます。
なおスターターモーターを外すにはエキゾーストシステム(マフラーASSY)一式取り外します。ボルトが抜けたらプーラーを使いプーリーを引き抜きます。
新旧のプーリーです。内部のゴムが抜けかかってズレています。横に寝かせて高さを見るとご覧のように違いが分かります。
高さの違いがベルトのズレが原因となり異音が発生していました。
新しいプーリを規定トルクで締め付け、先ほど取り外した補機類も元通りに取り付けます。完了後に異音の発生がないか確認して作業は完了です。
お預かりした車両は第五世代と三世代前のモデルのため経年よる劣化と、走行距離も伸びてるためパーツ類の脱着に苦労しました。
オーナー様も大変気に入っておられる大切な愛車であるとのことで修理をご用命いただきました。
経年で各部に問題が発生することは、数万点の部品で構成されるクルマにおいては必然です。
音や振動、体感・感知できる不具合が見つかりましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
横浜店では最新モデルはもちろん、シニアに差し掛かるモデルからオールドカーまで幅広く対応致します。
整備データ
[ 車 両 ] シボレー コルベット クーペ(C5)
[ 作業内容 ] 異音修理(クランクプーリー交換)
[ 費 用 ] お問合せください