現行型マスタングを一段とスタイリッシュに魅せるオープンモデル
優越感や満足感に繋がる内外装色が魅力
文/石山 英次写真/古閑 章郎
2015年に登場した現行マスタングは、ワールドワイドなグローバルカーとして生まれ変わったことにより、世界中の法規や安全基準を満たさなければならなくなった。
くわえて、それまで数千台だった輸出が、新たに110カ国16万台強に激増することで、各部のチューニングは念入りになり、製作精度も格段に向上しているから、車両のクオリティは段違いに上昇している。
とはいえ、日本からフォードディーラーが撤退してしまった時代に、最新マスタングやその他魅力的なフォード車が欲しいというのなら、BCDのような、数多いフォード車を積極的に取り扱い、整備や保証を兼ね備えたアフターフォローのしっかりした店舗であれば、「正規ディーラーと同様」とまでは言わずとも、それに近い状態で今後もマスタング(フォード車)に乗ることが可能である。
同時に、新車に関して言えばボディカラーや細かい仕様、オプション装備等にこだわって注文することも可能だし、BCD車両であれば現車を見て商談が可能であるわけだから、「直輸入モデル」という不安をまったく感じることなくフォード車を楽しむことが可能である。
今回取材したマスタングコンバーチブルも実車を見て商談できる1台。2020年型のコンバーチブルで1,450キロ走行車。
グレードは、エコブーストのプレミアムだから搭載エンジンは直4ターボであり、10速ATが組み合わされる。走行1,000キロ弱の個体であり、正直中古車とは思えない程度の良さ。気になる方は是非見て欲しいが、触れるあらゆる部分にまだまだ新車の硬質さが残っており、白っぽいグレーレザーにも中古車としてのヤレや汚れ等の使用感は皆無。ということで、個人的には新古車程度の認識である。
そんなマスタングの2020年型、いわゆる最新コンバーチブル。シートに座り頭上の手動ロックを外しトップ開ける。ボタン操作でざっと約15秒程度。あっという間にオープンになる。もちろん幌を閉めた状態での走行はまるでクーペのような耐候性および静粛性である。
さらに手を伸ばすシフトの位置や触れたときの感触の良さ、シフトを動かしたときの動作感や節度感にインパネ周りの作り込みは、アメリカ的というよりは世界品質のそれであり、もはや「アメ車だから」と粗雑さを嘆くことはまったくない。
現行型のマスタングは、2018年にフロントマスクを含むデザインの変更が行われ、賛否両論あったと聞くが、筆者的にはもう「見慣れた」というのが正直なところ。
で、このブルーメタのコンバーチブルは恐ろしいほどカッコイイ。個人的にブルー好きというのもあるし、同時に取材したチャレンジャーもブルーだったがそれとは全く異なる明るいブルーメタでアメ車によく似合う。
恐く街中でも相当目立つだろうし、スポーティカーに乗っているという優越感や満足感に繋がるものだと思う。
しかもセラミックレザーの内装カラーリングも素敵だ。コンバーチブルは、一般的に内装色も外装色と同様に重要と言われる。オープンにすれば、内装が丸見えだから、ひと目につく。このブルーのボディに内装ライトグレー的なコンビネーションは断然お洒落だし、他と異なるセンスが発揮できるはず。
さて、この個体に搭載されるエンジンは、2.3リッター直4エコブーストターボ。310hp、最大トルク350lb-ftを発生させ、10速ATと組み合わされる。これまでにかれこれ10度以上は試乗しているし、コンバーチブルにも複数回試乗しているが、直4ターボは想像以上に強烈なパワー感を発生させるエンジンである。
しかも、音質チューニングが施されているから、V8サウンドまではいかずともかなり獰猛なサウンドを轟かせる。だから「あえてV8を」と望まなければ十分に満足できるのである。
もちろん、310hpを発生させるターボエンジンが搭載されているから飛ばせば間違いなく激速だが、飛ばさなくても気持ち良いのがコンバーチブルの魅力だし、そういう意味では金銭的にも精神的にも余裕のある方にこそコンバーチブルは似合うのかもしれない。
ちなみに、V8コンバーチブルが欲しければ、V8コンバーチブルの個体もBCDにはある。余談だが、現在、国内でV8マスタングのコンバーチブルを取り扱っているショップはかなり少ないということで、この夏にBCDが輸入していた複数台のV8コンバーチブルもほぼ完売。残り1台となっているという。
言うまでもないが、4座のコンバーチブルには独特のムードがある。2座のロードスターと異なる性質のそれである。個人的にはちょっと裕福な、セレブ的な印象が強いと思っている。それに4座なら当然ファミリーカーとしても使えるし、それでいてマスタングの動力性能を備えているわけだから、言うことなしだろう。
くわえて、「今や幌の耐候性は格段に向上していますから、日本の気候でも十分に対応できます」と実体験を踏まえた、マスタングコンバーチブルの能力の高さをBCDスタッフが説明してくれたが、本当に納得できるほどの幌の出来である。
ちなみに、クーペボディで見るこの型のマスタングは黒いボディが多い。もちろん、ブラックのボディカラーは売れ線ということなのだろうが、一転、こうしたファンカーは、ボディカラーまでこだわる方も多く、派手めなカラーを好む方も結構いるという。
BCDもその辺は熟知しており、マッスルカーやスポーツカー、さらにはコンバーチブルといったアメ車全般において、カラフルなボディカラーが積極的に直輸入され展示されているのである。
マスタングコンバーチブルの走りはお墨付きだし、オープンカーを知り尽くした国のコンバーチブルだけに、さらに4座オープンというレアな存在だけに、程度の良い個性的なオープンカーを探しているなら、今回の個体はかなり満足できると思うのである。