カマロの正しいあり方
ZL1のフォルムには"硬派なカマロ"の魅力が凝縮されている
文/石山 英次写真/古閑 章郎
いきなりだが、カマロといえば?。サードカマロが現役だった時代を知る者からしてみれば、カマロといえば「硬派なマシン」という印象がもっとも強い。
ワルっぽい兄ちゃんが乗っているアメ車。タイヤをキュルキュルと鳴らしながら街中を爆走しているイメージもあり、だからそういう不良っぽい方々が憧れるマシンだと勝手に脳内に刷り込まれている。
だが、それから何十年か経った現役カマロのイメージは「お洒落なスペシャリティカー」。もちろん、車両としての出来は良く、何ら不満はないからそれはそれで良いとは思うが…。昔を知る方から言わせれば、お利口さんのイメージであまり面白くない、ということがあるのかもしれない。
だが、そんな現役カマロにもイメージを激変させる存在がラインナップされている。そう、ZL1。
たとえば、アメ車以外の他国メーカーが作るスポーツカー、スペシャリティカーはみな丸みを帯びた流線型デザイン、というのが今の主流である。超極端な例がレクサス LC。アストンマーチンなんかもそうだしフェラーリだってそうだ。気品高き高級車たちはみな流麗なスポーティカーを作っている。
対するカマロ ZL1は、角張った直線を多用したマッチョなスタイル。開口部の大きいフロントグリルを含めたデザインを見ていると、何となくだが、サードを思い起こさせる。いわゆる硬派なカマロとして非常に魅力的なスタイルだ。
しかも、カマロである。正直、気品高き高級車たちと比較するレベルのクルマではない。
だがしかし、驚くべきことにZL1は、上記にあげた気品高き高級車たちと同等以上に走り、競争すればかなりの確立で勝つ。いやフェラーリの場合はいい相手になるくらいのレベルだろうが、それ以外の車両たちは逆に相手にしない。そのくらい速い。
すなわちZL1とは、カマロならではの硬派なスタイリングに包まれた、激速な、これぞカマロといわんばかりの存在なのだ。
そんなZL1の速さの秘密とは、コルベットZ06と同じ6.2リッターV8 LT4エンジンを搭載し650hp、最大トルク650lb-ftを発生させること。
さらに車重が軽量化されており、約1770キロのボディを上記のパワーと新搭載された10速ATで走らせるわけだから、相手がレクサスだってアストンマーチンだってお構いなしに決して負けない。ヘルキャットにだって負けない。ちなみにヘルキャットの車重は2トンを軽々越える。
硬派なデザインのボディは、研ぎ澄まされたエアロダイナミクスボディで、空力風洞実験によってもたらされたエアロダイナミクスに優れた仕様となっており、フロントスプリッターやフロータイと呼ばれるエア通路となっているボウタイや大口径グリル等、実際はすべてにおいて機能が優先されている。すなわち作りこまれたフロントマスクなのである。
同時に足回りは、新たに調整されたマグネティックライドサスペンションにパフォーマンストラクションコントロール、電子制御ディファレンシャル、ランチコントロールにドライバーセレクタモード等、最新テクノロジーを駆使した最高レベルの状態がもたらされている。
またフロント285 / 30ZR20、リア305 / 30ZR20インチ鍛造ホイールに、グッドイヤーイーグルF1スーパーカータイヤ、さらにブレンボの6ピストンモノブロックブレーキとツーピースローターといった大径ブレーキが装備され、GM最高レベルの足回りとブレーキが650hpのパワーを支えているのである。
くわえて、この状態で世界の難所サーキット、ニュルを攻めて鍛えたわけだから、軟弱な高級車には決して負けないし、驚きの超強固なボディにステアリングの剛性感の高さなど、アメ車のなかでもこのクルマに敵う存在が見当たらないというのが本音である(ニュルのタイムレーコードも作っている)。
さて、そうしたZL1の2020年モデルの新車である。過去、2018年の中古車を何度か取材したことがあるが、新車は初めて。しかも2020年となると、ベースのカマロが2019年にマイナーチェンジをしているから、それ以後のモデルとなり、リアスタイルに変化が加えられている。
もう少し説明すれば、2019年にマイナーチェンジがあった時点でベースのカマロ自体が前後デザインを変更しており、本来ならZL1もその対象となるはずだが、上記した通り、作りこまれた機能優先のフロントマスクを採用していることもあり、フロントデザインはそのままに、リアのみマイナーチェンジされていた。
よって、リアテールのデザインが変更されているが、全体の雰囲気に変化はないから、マイナー後の本国人気も俄然高いモデル。一転、日本ではほとんど見かけない存在だけに、2020年型の新車となれば超レアモデルと言っても過言ではない。
ちなみに、ZL1にはエアロパッケージ的なZL1を一段と魅力的に輝かせる超攻撃的なカナードや巨大リアウイングを装着したパッケージが本国にはあるが、日本の法規上、リアウイングを装着したままの走行は認められないため、残念ながら輸入しているショップはほとんどない。
そんな2020年型の新車ZL1は、BCDの新車購入プラン「60プラン(シックスティ)」の対象車でもある。この60プランは、新車を楽しむためのプランであり、簡単に説明すれば、三年後の売却下取り価格60%を保証するというもの。
また各種点検やオイル交換等の必要なメンテナンスがパッケージングされたプランということであり、BCD新車保証(3年6万km)をくわえれば、直輸入車ではあるが、まるで国内ディーラー車のような手厚いサポート量にて乗ることが可能になる(プランの内容や使用の有無等は購入時にご確認ください)。
BUBUのBCDには、中古車ベースの50プラン、新車に対応する60プランがあり、それぞれにより購入後の下取り価格や保証&整備等のユーザーの不安を極力減らすための努力を惜しまない。
BUBUのBCDは現在、チャレンジャーやマスタングの販売で全国的に有名であるが、他社がほとんど手をつけないコルベットやカマロのパフォーマンスモデルの直輸入も積極的に行っている。
前エントリーのコルベット GSのところでも触れたが、今年一年で20台以上のC7を販売しているし、カマロに至ってはこのZL1他、1LEも複数台手がけているし、車種を選ばずに直輸入することができるのもBCDの魅力の一つである。