直4ターボエンジンのみのラインナップに変更
価格改定により販売価格が上昇するも相変わらずの人気
文/田中 亨写真/小関 一尚
2022年になってラングラーには大きな変化が二つあった。一つが3.6リッターV6エンジンモデルの廃止。よって2リッター直4ターボエンジンのみのラインナップになっている。
ということで、まずは2022年モデルを試乗。
昨年までは2リッター直4エンジンと3.6リッターV6エンジンは併売されており、組み合わされるミッションも8速ATと同様であったから、購入時にはかなり迷うと個人的には思っていた。が、実際にはほとんどのユーザーが3.6をチョイスしていたというから驚きであった。
だが、今年から2リッター直4ターボのみということで、購入時の迷いは全くなくなるわけである。搭載される2リッター直4エンジンは、272ps、最大トルク40.8kg−mを発生させ、8速ATと組み合わされるが、実はこのパワー&トルクは3.6リッターV6エンジンに匹敵するレベルのものだ。
■2リッター直4ターボ:272ps5250rpm、最大トルク40.8kg−m/3000rpm
■3.6リッターV6:284ps/6400rpm、最大トルク35.4kg−m/4100rpm
この2基のエンジンはパワー差で12psV6が上回るが、最大トルクは5.4kg−m直4ターボが差をつけている。くわえて直4ターボの方が車重で20kg軽量ということで、個人的には互角という印象を得ている。
だが、ジープ西東京の加賀美氏は別の印象を持っているという。というのも加賀美氏はご自身で3.6リッターV6モデルを所有しており、仕事で2リッターモデルに乗るとその違いを感じることが多々あったという。
「まず、街中走行ではほとんど違いはわかりません。大きな違いが出るとすれば高速巡航時です。やはりV6の方が楽という印象があります。ですが、これは私がV6を所有しているからわかる違いでありまして、もし仮に直4ターボのみに乗っていたらその違いを認識すること自体ないと思います」
ということで、試乗させてもらったが、はっきり言って「違い」は全くわからない(笑)。というか、「やっぱりいい」。試乗は近隣の街中中心だったが、予想以上に力があるし、8速ATとの組み合わせが新鮮。
もともとJL型になった時点で、旧時代のV6との組み合わせに違和感を個人的には感じていたので、その当時から「買うなら2リッター」と思っていたし、実際に今乗っても正直、V6でなければならない理由がわからない。
だから昨年同様ラングラー人気は今年も継続するだろし、搭載エンジンの変化に嘆く必要は全くないと思うのだが・・・。
実は二つ目の変化が大きい。
ラングラーは、V6エンジンの廃止とともに、3月1日から販売価格が変更されている。この変更は、例の原材料の価格上昇や原油価格高騰による輸送費の上昇などを含む全般的なコストアップと仕様変更によるものであり、仕様変更とは、タイヤプレッシャーモニタリングシステムとフロントグリル内にオフロードカメラが搭載されているという内容。
それらによる変化によってサハラが69万円アップ、ルビコンが85万円アップとなっている。
■ラングラー アンリミテッド サハラ:704万円(+69万円)
■ラングラー アンリミテッド ルビコン:743万円(+85万円)
うーん、正直微妙である。もちろんある程度の高騰は、世の中のクルマ全般的に見られることゆえに仕方ない部分もあると思うが、それでも正直、キツイ。
「昨年買っておけば・・・」と後悔しても始まらないが、なんともねぇ・・・。
ただ、販売自体はかなり好調を維持しているということで、加賀美氏曰く「確かにいつかはラングラー、といった感じで以前からラングラーを狙っていた方々にはちょっとひかれてしまった感は否めませんが、新たにラングラーを候補にされた方々には現状でもご支持いただいております」
いろいろな要素が絡んでいるというが、それでも現状納期8か月ということだから、かなり売れているということなのだろう。スゴい!
筆者も改めて乗ってみて、「やっぱりいい」と思ってしまうし、とにかく個性的であるからネガがあまり気にならない。それよりも、所有する楽しみや、所有後の使い道や、その他いろいろ遊べる要素が詰まっているから、購入してからも楽しいし、所有することで生活が変わる可能性すらあるし。
そういう意味では2022年モデルになってもラングラーの魅力変わらずであり、EV時代到来前に、是非とも一度は乗りたいクルマであると言えるだろう。