一段と商品力を高めたキャデラックXT4は起爆剤になる
リリック登場でガソリンエンジンとEVの二刀流を推進
文/石山 英次写真/古閑 章郎
今のキャデラックの中心モデルと言うと、SUV群。エスカレードを筆頭に、XT6、XT5、XT4がラインナップされ、今年、EVのリリックが加わる。
そう、今後のキャデラックはガソリンエンジンとEVの二刀流を推進していくのだ,。
ちなみに、日本初導入となるリリックは、今ロスで一番見かけるEVという=今アメリカで一番売れているEVだ(2位はリビアン、3位がテスラ etc)。
すでに日本でもティーザー情報が発信され、早ければ今夏までにデビューする予定というから期待したい。
さて、そんなキャデラックSUV群のなかでXT4がマイナーチェンジしている。XT4は2021年に登場したコンパクトなSUV。
2リッター直4エンジンを搭載し9速ATと組み合わされた機敏な走りが特徴のモデルだが、実は個人的には一番評価しているモデルである。
キャデラックといえばエスカレードと言われるほど圧倒的な性能とブランド力を発揮するモデルが存在するだけに、それ以外のSUVたちへの認知が劣るかもしれない。
それほどエスカレードは偉大な存在であるが、一方で、XT4はそんなキャデラックのブランドイメージを持ちつつ機敏な走り、サイズを感じさせないコンパクトさ、そして左ハンドルという優越感を持った存在として際立ったモデルである。
で、今回、デビューから4年後に再びマイナーチェンジを行い、商品力をさらに上げている。
なかでも、イマドキ風な巨大なLEDディスプレイを備えたインテリアへの進化はキャデラックのブランド力を感じさせ、くわえて刷新されたデザインは、最新モデルらしいシャープな印象を与えてくれる。
今やシボレー カマロでも2リッター直4ターボが当たり前となったが、XT4においても同様に2リッター直4ターボが威力を発揮し、230ps、最大トルク350N・mは低速から抜群のレスポンスを示す=日常使いの回転数における力強さがアメ車らしい。
同時に踏めば十分な加速が味わえるし、高速巡航もかなりのレベルが体感できる。
それでいて扱いやすいサイズ感と大人4人が乗れる室内空間があるわけだから(長距離移動も可能)、そしてキャデラックのブランド力があるわけだから、正直、エスカレードかXT4か、があれば十分だろうと思えてしまう(あくまで筆者の個人的意見)。
「おかげさまでXT4の販売数の伸びは順調です。その他のモデル、XT5、XT6も同様に多くの方々に受け入れられている状況です」と話すキャデラック・シボレー葛西の仁部氏。
今現在、「キャデラック エスカレードへの問い合わせが一番多い」とは言いつつも、同時に「エスカレードは買えないが・・・」という方々がXT5、XT6、XT4に興味を持っているといい、さらにXT4に関しては「日常使いのキャデラックとして比較的若い方々から注目を浴びている」という。
確かに最新のXT4の完成度は非常に高いし、当然、他メーカーの同レベルのSUVとの比較がなされるだろうが、同時にイマドキの若者は往年の自動車評論家がよく言う「ベンツ、BMW、アウディのドイツ車が一番」的な指標は持っていないから、コンパクトサイズの左ハンドル+アメリカ随一のブランド車というイメージが浸透するのだろう。
なお、ミツオカブループのキャデラック・シボレーディーラーにおいてXT5、XT6の3年後の買取50%を保証する独自プランを今、期間限定で展開しているというから、XT5、XT6の購入を検討している場合は、是非覗いてみるといいだろう。
また、同ディーラーにおいて、キャデラックエスカレードやシボレーコルベットにおいては3年後の買取60%を保証するプランも行なわれているという(詳細は直接ディーラーにお尋ねください)
一段と商品力を高めたキャデラックXT4は、キャデラックブランドを、新たな層に訴える起爆剤になるに違いない。