BUBU × AMESHA WORLD
“BUBU×アメ車ワールド” 2004年モデル シボレー コルベット C5 コメモラティブエディション

オーディオ以外フルノーマルのレアな個体

“BUBU×アメ車ワールド” 2004年モデル シボレー コルベット C5 コメモラティブエディション

20年落ち走行約5万4000キロが表す価値とは

文/石山 英次写真/古閑 章郎

スポーツカーとしての魅力が満載

コルベット C5は、1997年から2004年まで存在していた5代目コルベット。個人的には当時「それ以前のコルベット C4からボディ剛性400%アップ」という触れ込みに凄い興味を抱いたのを覚えている。

乗っても実際に驚きの連続だった。確かに剛性は高く回頭性を含めたハンドリング、またリアの安定性が抜群で「本気で欲しい」と思っていたら、弊社スタッフが個人で中古車を購入。

そのC5は合計15万キロくらいの距離を走り、筆者もそのうちの1万キロくらいは乗っている。

で、その当時からC5を好む理由が想像以上の信頼性があり、一般的なメンテナンスを定期的に行っている限りにおいては長く乗れること。それこそ油脂類の交換とタイヤ交換程度で。

くわえて、世界的名車の資質を備えていること。スポーツカーには雰囲気だけでなく、実際の性能が伴わないとならないが、その運動性能の素質を決める要素は、車両パッケージングによる重量配分やトラクションを稼ぐための「重い要素」をどこに置くかといった設計の質にある。

車両イメージ歴代コルベットの中で丸みを帯びた流線型デザインを採用したC5。その最終モデルの中古車。
車両イメージリアの4連テールのデザインは美しさすら感じさせる。走行は約5万4000キロ。

そういった意味でコルベット C5はかなり革新的であった。エンジンの搭載位置を前車軸よりも後ろに下げた、いわゆるフロントミッドシップを実現し、あわせてトランスミッションを後輪側に配置しデフと一体に置いたトランスアクスルを採用することで、車両重量配分は空車で51対49。ドライバーが乗るとちょうど50対50になる設計になっている。

同時に「重心を低く」というスポーツカーにとって重要なファクターを満たすためにOHVエンジンを採用し、バネ下重量軽減と横剛性向上を両立させる横置きリーフのサスペンションや軽量化に寄与するフレーム式シャシー構造など、C5には当時のGMが考えるスポーツカーの理想を実現するためのエンジニアリングがどん欲に盛り込まれているのだ(アメ車の中でこういった蘊蓄を述べられるクルマはそうない)。

エンジン以外のほとんど全てを専用部品で起こしているというのもその執念のひとつである。

車両イメージコメモラティブエディションの記念ロゴや専用バッジが貼られている。
車両イメージC5は純正サイズタイヤと純正ホイールがマストだと考える。
車両イメージ搭載されるエンジンは5.7リッターV8で350hpを発生させる。最新のアメ車と比較すれば大パワーとは言えないが、トータル性能としては十分といえるし味わいも濃い。

もちろん、その後に出たC6はもっと良くなっているのは事実だが、C5が誕生した当時においては非常に手の込んだスポーツカーとして多くのファンに支持されていたのである。

ということで、C5コルベットに乗るなら、あくまで個人的評価だが「フルノーマルの個体がベスト」と言い切る。上記のように精緻に作られているからこそのバランス重視である。

さて、そんなC5コルベットの出物である。2004年型で約5万4000キロ走行のディーラー車。くわえてコメモラティブエディションである。

コメモラティブエディションとは、2002年のアメリカ・ル・マンシリーズに参戦していたC5のレースカー、「コルベットC5-R」が10戦中9勝を収め、GTSマニュファクチャラーズ、GTSチーム、ドライバーズの3部門のタイトルの獲得。それを記念したモデルである。

ボディカラーは、「ルマンブルー」の専用色を採用し、インテリアは、淡いグレーの「シェール」で統一される。その他、記念ロゴや専用バッジなどを装備している。

車両イメージこの年代のアメ車としてはかなりこだわった室内空間。人間工学を駆使したインパネは非常に機能的。操作性も良い。くわえて車両の状態もとても良い。シェールカラーが素敵である。
車両イメージ4速ATのシフトノブ。シフトブーツ周りもヤレや汚れもなく状態もかなりいい。
車両イメージ唯一、センターコンソールにあるオーディオのみ社外品になっているが、それ以外はフルノーマル。
車両イメージアナログメーターの良さが滲み出たメーター類。300キロまで刻まれたスピードメーターがこのクルマの性能を物語る。

で、そんなコメモラティブエディションの中古車であるが、一目見てびっくり。驚くほどの個体だった。

まずはオーディオ以外フルノーマル状態であること。そしてシェールカラーのシートに若干の使用感が見られるものの、それ以外のコンディションが恐ろしいほど素晴らしい。20年落ちの割に走行距離も断然少ない。

聞けば、前オーナーさんが長いこと大切に維持されていたといい、昨年から今年にかけ何らかの事情で手放されたという。その証拠に装着されているタイヤが2023年製=2023年後半から2024年にかけて交換されたという証である。

またエンジンも一発でかかり、ボディやホイールのコンディションも相当にいい。当然、リトラクタブルも普通に稼働するし、何より油圧パワステとアクセルワイヤーの懐かしくもある素晴らしいフィーリングが最高である。

そして何よりデザインが美しい。好みの問題もあるだろうが、C5デビュー当時は流麗なスタイルが流行っていた。C5も例に漏れず世界のスポーツカーたちと互角に戦える流麗さを持つ。

くわえてリトラクタブルヘッドライトを装備する最後のモデル。コルベット好きというよりは、スポーツカー好きにも愛される理由である!

車両イメージ中古車になるとこういった部分に使用感が必ず出るが、この車両には全くない。
車両イメージメーター周りの各種ボタンスイッチも健在で状態も素晴らしくいい。
車両イメージこちらも同様にご覧の状態。
車両イメージ若干使用感は感じるものの、それはシェールカラーのレザーだからとも言える。ただ、全体的なコンディションは非常に良い。

そんなコルベット C5の中古車であるが、それを販売しているのがBUBU宇都宮であるということが何とも心強い。BUBU宇都宮はGMのサービスセンターであるからコルベット C5を知り尽くしているのだ。

また取材時の状態はあくまで展示車であり、今後購入者が決まれば、適切な納車整備が加えられる=取材した時以上のクリーンなメカニカル状態になって納車されるのだ。

BUBU宇都宮のメカニックである道地さん曰く「コルベット C5の時代は、現代車のようなコンピューターずくめの車両ではなく、どちらかといえばアナログ時代の最終モデル的存在です。

ですので、コンピューターエラー的なトラブルが起きることが少なく、起こるとすれば断然消耗品の消耗によるトラブルです。ですから定期点検をしっかりし消耗品の交換を怠らなければ大きなトラブルに見舞われることが非常に少ないモデルと言えるのです」

C5に乗る絶対的法則はノーマル遵守。なので、現状を維持して大切に乗っていただける方がオーナーだと嬉しい。少なくとも、ここまでのレベルを維持したコルベット C5を日本で見ることはほとんどないと断言できるから。

車両イメージリトラクタブルヘッドライトを装備する最後のモデル。これだけでも「買い」の理由になる。
車両イメージアナログ時代のモデルだけに定期的な消耗品の交換が長く乗る秘訣という。
車両イメージこの時代のバッテリーはまだフロントエンジン周辺に設置されている。余談だがC7はリアトランクに移設されているから交換が大変。
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