2024.10.11
誕生50周年を記念した最後のディーラー車
“BUBU×アメ車ワールド” 2015年モデル フォード マスタング 50years Edition
マスタング史の中で最も革新的な進化を遂げたモデル
知る人ぞ知るベストバイ
取材個体は2台とも2015年型マスタングである。ともに直列4気筒2.3リッターエコブーストターボエンジンを搭載しており、314ps、最大トルク44.3kg-mを発生させる。
組み合わされるミッションは6速ATであり、SST（セレクト・シフト・オートマチック・トランスミッション）と呼ばれるマニュアルモードを備えパドルシフトが可能である。
一見すると普通のマスタング4気筒モデル。だが、その実50イヤーズエディションと呼ばれる限定車＝日本国内フォードディーラーが存在していた最後のディーラー車である。
フルエアロ＆ローダウン＆インチアップによってレーシーな雰囲気を高めたマスタング。
リアスポイラーやリアディフューザーによる視覚的変化が大きいカスタマイズモデル。この50イヤーズエディションは、マスタング誕生50周年を記念する特別仕様車であり、本国アメリカにも存在する。その日本仕様が当初350台限定で輸入されたが、瞬殺。
三ヶ月後に再び200台の追加輸入がなされているから、日本国内には正規ディーラー車として合計550台が存在する。ちなみに、リアには専用エンブレム「50YEARS EDITION」が貼られており、それがディーラー車の証となる。
そして、もう一つ。この2015年に登場した通称6代目マスタングは、世界戦略車となり世界120か国以上の国々にデリバリーされるようになった。
すなわち、当時の最新テクノロジーが存分に搭載され、それまでのマスタング50年の歴史の中で最も革新的な進化を遂げていると言われる存在であった。
昔ながらの重低音系のサウンドは望めないが、引き締まったボディと足回りの印象に似合うだけの心地よいサウンドと加速が手に入る。
フロント245/35ZR20、リア275/35ZR20インチの前後異形サイズを装着。ホイールはロティフォーム。
マグナフローのマフラーが快音を響かせる。
エンジンルームにはディーラープレートが貼られている。その一因が2.3リッター直４エコブーストエンジンの搭載であり、リアサスペンションの独立縣架の採用である。
よって、5代目マスタングから6代目マスタングへの進化は、その後の6代目から7代目モデルへの進化を大幅に上回っており、マスタング史を時系列で振り返った際には必ずや評価されるであろうモデルなのである。
ということで、マスタング史の中でも圧倒的に評価の高い6代目、くわえて、たった一年のみ存在した日本国内ディーラー車の中古車の価値は、非常に高いというわけである。
さらにもう一つ。日本国内ディーラー車がもてはやされる理由が、輸入時のPDIである。PDIとは「Pre Delivery Inspection」の略称で、いわゆる出荷前点検のことである。
ステアリングをアルカンターラ巻きに変えているインテリア。
ステアリングの操作性やパドル操作の向上がなされている。
シートは純正のレザーシート。コンディションも良好。日本国内でPDI、特に輸入車の場合は非常に効果的で、特にフォード車の場合、6代目マスタング輸入時のインポーターの気合の入り方はちょっと異常なくらい高く、非常に厳しいPDI作業が行われていた。
実は筆者も当時、愛知県豊橋市で行なわれているPDI作業の見学が許された一人であり、その見学も含め効果の高さを認識しているし、「ディーラー車であることの価値はPDIにこそある」とすら思っている。
だから、この年代の6代目マスタングの中古車を購入する場合、まずはディーラー車を探すというのが鉄則であると思っているし、取材したつくばショールームのスタッフも以下のように語っている。
「この年代のマスタングを仕入れる場合、まずはディーラー車を探します。ディーラー車はパーツ体制も整っておりますからパーツに困りません。もちろんV8モデルやシェルビー GT350となれば別ですが」
ということで、上記は550台のうちの2台であり、カスタマイズモデルとフルノーマルモデルの50イヤーズエディションである。
6代目モデルならではの美しいファストバックスタイルが味わえる。
ロングノーズ＆ショートデッキのプロポーションに3連のリアコンビネーションランプが6代目の特徴。
搭載されるエンジンは2.3リッター直4エコブーストターボで最高出力314ps、最大トルク44.3kg-mを発生させ、車重1,660kgのボディを力強く走らせる。まず、イエローのカスタマイズモデルであるが、走行4.5万キロの個体。ボディ全体にエアロパーツが装着され見た目の雰囲気を一変させている。
サスペンションもローダウンされ、タイヤサイズも前後異形の20インチを装着しているから、一段と低いフォルムに変身。
一方インテリアではステアリングをアルカンターラ巻きに変えており、これが非常にいい。レーシーな雰囲気が味わえ、実際の操作性も向上している。またマグナフローマフラーのご機嫌なサウンドともマッチするから、運転時の気分の高揚という相乗効果を発揮する。
購入後にカスタマイズを検討している方なら、最初からこうしたフルコンプリート的車両を購入するのも手ではないか。
純正タイヤサイズは前後ともに255/40ZR19インチ。ホイールはブラックカラーで引き締められる。
インテリアは、航空機からのインスピレーションを反映させ、人間工学に基づいた優れた操作性の高いコックピット感を実現。ステアリング裏には6段ATのパドルシフトが装備される。
「50 YEARS EDITION」のロゴがエンボス加工された本革シートが装着されている。シートの調整機構は、スライドのみ電動式でリクライニングは手動式。で、もう一台がガンメタリックのフルノーマル個体。こちらも走行4.5万キロの個体。
上記カスタマイズモデルと比較すれば非常に大人しい印象である。が、その一方で6代目モデルならではの美しいファストバックスタイルが味わえるという利点がノーマルモデルにはある。全体的なコンディションも非常にいい。
この6代目は2015年に登場し、3年後の2018年にマイナーチェンジによってフェイスリフトが行われるから、このマスクが味わえるのはたった3年のみ。そのうちの初期一年のみディーラー車が存在するという流れなので、この年代のマスタング直4モデルを狙っている場合はまずはディーラー車を考えてみるべきである。
取材したつくばショールームは、6代目マスタングのほか5代目マスタングも積極的に扱っているし、コルベットC6、C7のディーラー車やカマロ直4、V8のディーラー車といった、コンディションの良いアメリカンマッスルカーやスポーツカーの中古車が揃っているから、アメ車が初めてという方でも接しやすいショップである。
誕生50周年を記念した「50YEARS EDITION」はディーラー車の証である。
つくばショールームではディーラー車ベースのアメリカンスポーツカーを数多く取り揃えているという。マスタングに関しては主に6代目、5代目が販売の主流ということだ。
2015年モデル フォード マスタング 50years Edition
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