50周年記念オプション装着の低走行個体
5.7リッターV8のマニュアルミッション車
文/石山 英次写真/古閑 章郎
取材個体は2020年型チャレンジャー R/Tである。ボディカラーがホワイトだから、一見普通のチャレンジャーに見えるかもしれない。
しかし、この個体には50thアニバーサリーのオプションパッケージが装着されているから、よく見れば普通のR/Tと雰囲気が異なることに気付くはず。
プラスしてこの車両はマニュアル車である。なので走りは通常のAT車よりも刺激的で、NAエンジンだからこその鋭い吹け上がりが堪能でき、ずっと走っていたい衝動に駆られるほど楽しい。
搭載される5.7リッターV8のパワーは372hpか・・・と思うかもしれないが、MT操作を介したダイレクトなアメリカンV8の咆哮を存分に発揮させればAT車の1.3倍くらいはパワフルに感じるから、少なくともパワー数値に関する少なさを感じることは皆無だ。
同時に6.4リッターV8に対する劣等感的なものを感じることもほとんどないだろう。
ちなみに、チャレンジャーのマニュアル車は、着座位置からのステアリング、ギア、クラッチ等の3ペダル類の配置が適切であり、クラッチの繋がりにもクセがないから、国産車のMTが運転可能な方なら誰もが簡単に運転することができる。
慣れれば、アイドリング状態でのクラッチ操作だけで走り出すことが可能になるし、シフトフィールもチャレンジャーに相応しいストローク量で、ホントに乗りやすいからオススメ。
R/Tにも様々なバリエーションがあり、例えばR/TのT/Aやシェイカー、さらにはそのMT車等、日本国内に出回っている既存の中古車とは異なるバリエーションモデルがたくさんある。
で、そうしたバリエーションモデルを直輸入しているのがBCDであり、当然、認定中古車にもそうしたレアな組み合わせモデルが数多く集まるから、R/Tとはいえ、人とは違うモデルを入手し、長く安心して楽しむことができるのである。
くわえて、この個体は約7,000キロ走行の認定中古車だから、レアな個体を、まだまだ十分に味わえる資質の持ち主である。
ちなみに、どこで誰が乗っていたかも含め、様々な使われ方から様々な消耗や摩耗が起こり、それらが複雑に絡み合った程度となって後々現れるのが一般的な中古車である。そしてそれらの程度を完璧に見極めることはある意味不可能に近い。
だからそうした中古車を購入するにあたってリスクを減らすことを考えれば、履歴のハッキリした車両を購入する方が、そうではない車両を購入するよりもリスクを減らせる可能性は断然高い。少なくとも理論的にはそうである。
BCDが販売を行っている「認定中古車」とはまさしくそうした履歴のハッキリした車両ということである。
くわえて自社基準における確認項目のチェック及び消耗交換パーツ等を経て販売される車両であるから、安心かつ安定感のある中古車と言えるだろう。
ということで、取材車個体。R/Tをベースにした「50thアニバーサリー コメモラティブエディション」で、ボディカラーはホワイトナックル。
サテンブラックのボンネットフード、ルーフ、リアデッキリッドで飾られ、ゴールドスクール仕上げのバッジ、20インチゴールドスクールアルミホイールが特徴の一台である。また、採用されている50th専用インテリアが特別感を演出している。
そしてそれらが一体となったナローボディのチャレンジャーの雰囲気は抜群にいい。往年の風情を感じさせつつ、ホワイト&ブラックのトータルコーディネートが完成され、現代版チャレンジャーによく似合っている。
しかもMT車であるから個体のレア度も別格。この先10年15年と乗り続ければ価値はどんどん増すのではないか。
チャレンジャーの本国生産が終了し、新車系の流通量は確実に減った。ただし、これまでに輸入された中古車個体は日本国内にまだまだ十分ある。
しかし、MTモデルは限られている。さらに50thアニバーサリーのオプションパッケージ付きとなればなおのこと。
日本におけるチャレンジャーのMT率は10%あるかどうかだろうから、「MTのチャレンジャーに乗ってみたい」と思うのであれば、できるだけ早い段階で一度乗っておくのが良いのではないか。
個人的には、「チャレンジャーには長く乗り、一生ものとしたい」という思いがあるなら、MT車の方が長く乗るのに機械的な安心感が高いと思う。
またBCDの認定中古車なら履歴が明確かつ程度が確保されているから、個体の走行距離の少なさも含め、この個体は最高レベルの選択肢だろうと思うのである。