ミッドサイズSUVの3列シート仕様
あえてV6モデルをチョイスするならGTは最適
文/石山 英次写真/古閑 章郎
この型のダッジ デュランゴは、2014年のマイナーチェンジで登場している。そして2018年にGTが追加されている。
一方、それ以前から存在していたV6エンジン搭載のSXT。SXTは、いわゆる廉価版的存在として認知されていたが、GTはそのSXTをベースに、上位モデルR/Tと同様の足回り等を備えた走り仕様。だから全米での人気も非常に高い。
というのも、ミッドサイズの3列シート仕様だからである。いわゆるライバルのフォード エクスプローラーからの乗り換え車両として人気を博したのだ。
日本でも一時、デュランゴの人気が非常に高かった。ただその時点では、V8エンジン搭載のミッドサイズSUVという認識だった。
だからフォードジャパンがなくなりその当時のフォードオーナーが次なる候補車を探していた時点でのデュランゴに対しては「V8まではいらない」という拒絶の反応だった。
さらにその当時、V6搭載のSXTを日本に直輸入しているショップはほとんどなかったのである。
だが2018年のGTの登場と、さらに同じエンジンを搭載したジープ ラングラーやグランドチェロキーの存在によって、V6アレルギーが全くなくなった。
さらにダッジ チャレンジャーにもV6エンジン搭載モデルの販売比率が高まっていた。
という流れを持ってBCDはデュランゴ GTの直輸入を開始したのである。
取材車は2022年型のGT AWD。走行2万8,000キロのBCD認定中古車。ボディカラーはデストロイヤーグレーということで、バリバリのアメリカン。
チャレンジャーでもそうだが、デストロイヤーグレーをまとうと雰囲気が全く異なる。ちょっと強面な印象が増幅するというか。だから人気も高いのだろう。
搭載されている3.6リッターV6エンジンは、295hp(GTは10hpアップ)、最大トルク260lb−ftを発生させる。8速ATと組み合わされ、街中から高速に至るあらゆるシチュエーションで軽快に走らせることが可能である。
くわえて3列シートの7名乗車である。それはラングラーでは不可能であり、グランドチェロキーLでは可能だが、価格帯がデュランゴ V6とは全く違う(高額という意味)から、直接の比較対象にはならないだろう。
ということで、V6エンジン搭載のダッジ デュランゴ GTは唯一無二の魅力を発するのである。
ダッジ デュランゴは、1998年から続くV8搭載のミッドサイズSUVで、現行で4世代目となる。だが、その4世代続く歴史あるSUVも、2024年いっぱいを持って生産終了が決まっている。
ダッジ チャレンジャーやチャージャーと同じ流れである(すでにラストコールも発表されている)。
一部噂では、EVとして復活するとも言われているが、その真偽も不明である=すなわち、アメリカンな刺激的スタイルを持つダッジ デュランゴ+3列シートを持つミッドサイズSUVに乗るには最後のチャンスとも言えるのである。
ちなみに気になるV8だが、V8モデルはR/T、SRT392、SRTヘルキャットと、上を見るとキリがない。一方でV6GTはV6モデルのトップグレードであるから、あえてV6モデルをチョイスするなら満足度は高いのである。
そして、そんな最後のデュランゴとして、このBCD認定中古車は非常にオススメである。
もともとBCD車両として販売され、約1年後に(3,000キロ走行して)乗り換えの下取車として再びBCDに戻ってきた個体。
当然BCDの管理下にあったから、個体の状態は把握され、認定中古車としての質が担保された個体という認識のもと展示されているから、そうでない中古車と比較すればコンディションの違いは明白である。
くわえてダッジ チャレンジャーで培ったワイテック2.0等の電子デバイスによる整備や点検等にも定評があるから、安心して乗れる。
ちなみに、個体の外装に瑕疵は全くなく、インテリアにおいても運転席のレザーシートに若干の使用感はあるものの、それ以外のシートに使用感はなく、2.8万キロ走った個体には全く見えない状態の良さが際立っていた。
ということで、デュランゴに興味があるなら、ぜひ実物を前にボディや室内空間等の状態をチェックをしてみて欲しい。