BCD以外では取り扱われない高年式のV6エンジン搭載モデル
往年のチャレンジャーを感じたいという方へ魅力的ボディカラーを
文/石山 英次写真/古閑 章郎
2008年にデビューした通称現代版チャレンジャーは、1970年に登場したダッジ チャレンジャーの復刻モデルだと言われている。
なので2008年から2014年までの前期型は「1970年モデル」、2015年から2023年までの後期型は「1971年モデル」がデザインベースとなっている。
ちなみに、1970年モデルにはコンバーチブルの設定があったが、現代版チャレンジャーには当初コンバーチブルの予定はなく、ハイパフォーマンスモデルのみに集中していた節があった。が、2022年にコンバーチブルモデルの発表がされてデビューしている。
そして、過去のモデルの復刻版として登場した現代版チャレンジャーは、当然ながら過去のモデルを彷彿とさせるモデルやネーミングを使用しラインナップを増やしてきたわけだが(T/A等)、当然というか、律儀にもベースモデルにおいてもちゃんと復刻させていたのである。
いわゆるチャレンジャー6=1970年のデビュー時に存在していた直6エンジンを搭載したベースモデルのことである。
現代版チャレンジャーにおいてはV6エンジンを搭載したモデルがそれに当たるが、現代版のデビュー当初からベースモデルとしてラインナップされ、日本での販売率も結構高い。というのも、なかなかの実用性モデルだからである。
実際、2014年までの前期型ではV6エンジン搭載モデルの販売率が日本では非常に高かったのだ。
現地アメリカでは2023年9月まで新車販売が行われ、ついに生産終了となったわけだが、そのV6エンジン搭載モデルにおいても幅広いラインナップが特徴的である。主なラインナップは「SXT」と「GT」グレードである。
中でもV6エンジン搭載の「GT」には4WDモデルが存在し、アメリカ本国における積雪地域のユーザーにかなりの数売れている。
日本でも北海道地域での販売数は高いというし、関東近県でも「GT」の4WDモデルのウケは非常に良い。
一方、「SXT」は「GT」ほどの装備はないが、ベースグレードとしての実用性を重要視した方々に人気があり、例えば日本では、積極的にファーストカーで選ばれる方やラングラー&グランドチェロキーユーザーのセカンドカーとして所有している方が多数いる。
かつてインタビューしたオーナーさんによれば、「同エンジンを積むジープを持っていて、V6エンジンの性能や燃費や耐久性を知っているから安心」ということであえて「SXT」をチョイスされていたし、単純にV8比での維持費の問題で「GT」をチョイスした方にも会ったことがある。
要するに昔同様、幅広いユーザーに対応するためのラインナップとして確実に貢献しているのである。
とはいえ、「SXT」をチョイスすることを躊躇わない理由は他にもある。そう、パッと見だとV8モデルとの外観上の違いがさほど感じられないのである。
もちろん、細かなところでの「差」はあるが、例えば街中を走っていた場合にそれが「SXT」だと言い当てることができるのはアメ車ショップの店員だけではないか。そのくらい明確な差はない。
くわえてV6とはいえ、その走りの質もかなり高い。搭載されるエンジンは3.6リッターV6で303hp、最大トルク268lb−ftを発生させる。それを8速ATにて駆動する。
すなわち300hp以上のパワーがあるV6エンジンであり、例えばR/TのV8エンジンと比較すれば69hpのパワー差があるが、同時に車重差でV6モデルの方が135kg軽いので、フル加速すればさほど差が出ないだろうという考え方も成り立つ。
■3.6リッターV6
・303hp/6350rpm
・268lb-ft/4800rpm
・車重:1742kg
■5.7リッターV8
・372hp/5200rpm
・400lb-ft/4400rpm
・車重:1877kg(その差135kg)
もちろんV8パワー、V8サウンドを否定する気は全くないし、その部分のみを理由に購入する方の気持ちも十分に理解しているからV8を否定する気も貶める気もさらさらない。
だが、現実的な「差」を求めた場合、情緒的な部分を除いた総合スペック的には、3.6リッターV6と5.7リッターV8とでは大した差がないとも言えるのである。
取材して頂いた車両は2023年型SXTのBCD車両。走行4,000キロということだから、限りなく新車に近い2023年モデルということが言えるだろう。
プラスしてサブライムグリーンのボディカラーである。
上記の通り、実用性のV6モデル=保守的なオーナー像がイメージされるから、必然的にボディカラーは「白か黒」になりかねない。おそらく他のショップであれば、間違いなくそのどちらかのボディカラーが優先されるだろう。
だが、BCDにおいては、そうした実用カラーの個体を用意する一方で、V6モデルであっても往年のチャレンジャーを感じたいという方々の希望に応えるようなラインナップが形成されている。
前から言っているが、まるで現地ディーラーのような品揃えを誇っており、それは当然V6搭載モデルにおいても同様であり=他店では絶対に扱われないような、逆に非常に魅力的とも言えるボディカラーの個体を用意しているのである。
くわえて最終2023年モデルの「SXT」である。はっきり言ってBCD以外では取り扱わないようなグレードであるから逆にレアでもあり、高年式の低走行+コンディション良好車なV6モデルが欲しいと思う方々の間で争奪戦が予測されるのである。
なお取材個体はBCD車両であるから、同社のオリジナルプラン・BCD60プランを利用した購入が可能になり、3年後の下取り価格60%が保証されるのである。