サージグリーンの2ドア「ルビコン」は特別仕様ならではの組み合わせ
認定中古車だからこそオススメの2ドアラングラー
文/石山 英次写真/古閑 章郎
いきなり余談だが、自分の最後のクルマはマツダ ロードスターかジープ ラングラー 2ドアのどちらかと決めている。それをいつ買うかはまだ決めていないが、「次が最後」と覚悟を決めた時にはこのどちらかを購入するつもりである。
昔から痛切に感じているが、ラングラーの2ドアモデルの走りはめちゃくちゃ楽しい。SUVという感じではなく背の高いスポーツカーのような感じがして、異次元の楽しさを与えてくれる(屋根が取れるし)。
だから2シーターオープンカーと同等の評価が、自分の中では成り立つのである。
その昔、2006年までのTJラングラーに繰り返し乗って、「いつか欲しい」と何度も思っていたが、その頃は小さい子供二人の4人家族には非常に難しい選択肢だったし、2002年までの3速ATが非現実的だった。
だが車重は軽いし、ショートホイールベースで機動性が高く、いざとなれば戦場で鍛えられた本物のオフロード性能が味わえるところに魅力を感じていたし、何よりコーナリングが別格だった。
まるでゴーカートを運転しているかのごとく、言葉でいうと「クルっ」と回ってしまう感じ。普通の乗用車のような感覚で曲がろうとすればハンドルが切り足りず、早めに切り過ぎると曲がり過ぎたりして・・・・。
多少の慣れが必要だが、この一般感覚と違うところがラングラー 2ドアならではで、とにかく運転して非常に面白かったのだ。
だが、2007年からJKラングラーに変わり4ドアモデルが登場、2018年に現行のJLラングラーが登場して機能&質感が大幅に向上することで4ドアモデルの魅力が爆増し、同時に人気も沸騰。
2021年あたりでは納車待ち半年以上は当たり前だったし、中古車価格もめちゃくちゃ高騰していたし。筆者も、途中何度か「4ドアもいいな」と思いを巡らせた時期もあったが、それでもたまに路上で見かける2ドアモデルによって思い直したことが何度もあった。
で、現行JLラングラーの2ドアモデルだが、当初は「スポーツ」グレード一択だったし、その後受注生産になり、最後はしれっと生産終了となってしまっていて寂しい終わり方が印象的だった。
だが、そこはステランティス。ラングラーには度々特別仕様車が発売されるのだが、2ドアモデルも対応しており、さらに魅力的なボディカラーが販売されたりした。
だから認定中古車に2ドアモデルがラインナップされると非常に興味が湧く。「いつの、どんなモデルが入庫したのだろう」と。
今回取材した2ドアモデルは2021年型。サージグリーンのボディカラーをまとった「ルビコン」は走行1万2,000キロで、まだ新車保証が残る個体(+中古車認定保証1年付き)
すなわちボディカラーもグレードも、通常販売ではあり得ない特別仕様ならではの組み合わせなのである。
現代の2ドアモデルは、筆者が昔体感したTJ時代とは比べものにならないほどの質感を備えたモデルであり、同時に車重増によって昔ほどの機敏な印象は与えないが、それでも4ドアモデルと比較すれば、驚くほどスポーティな印象を与えてくれる。
というのも、同じルビコン2ドア&4ドアを比較すると車重が約110kg違うし、ホイールベースが548ミリ違うから、コーナリングの感覚が全く違う。
エンジンも2リッター直4ターボではなく、3.6リッターV6を搭載するから、低速での力強さも比ではない。だから乗ると、昔ほどではないにしても、今でもスポーティな印象を十分与えてくれるし、めちゃ楽しい。
それでいて現代的な質感や快適装備を与えてくれるのだから(昔のラングラーは簡素そのもの)、子離れした男のクルマとして非常に魅力的だろう。
実際、見た目の印象も非常に軽快だし、サージグリーンも非常にいい色だし、今回取材した個体にはUSバンパーが付いているから、一段と凛々しくなっている。
しかも認定中古車なのだから=ジープディーラーの基準を満たした中古車という意味なのだから安心感も非常に高い。
ということで、もし今2ドアモデルを探している方がいるならば、非常に魅力的な個体と言えるだろう。
最後にこれまた余談だが、今回取材した個体もそうだが、タイヤはマッドテレーンが装着されている。これはオフロードの走破性を高める武器になるが、もし街中のみでラングラーを使うならノーマルタイヤを装着してみると面白い。
乗り心地がめちゃめちゃ激変するし、高速道路での安定性も格段に高まるから、使用範囲が限られるオーナーさんは試してみるといいかもしれない。