整備やパーツ入手に不安のない専門店での購入が必須
法規が変わり今後個体が増える可能性が激減
文/石山 英次写真/古閑 章郎
2006年にコンセプトカーが発表され、2008年に始まった新ダッジ チャレンジャー伝説。デビュー当初はV6モデル中心の販売が日本では一般的だったが、2015年のヘルキャットデビューとともにV8人気が爆発。そして2022年いっぱいまで一気に売れまくった人気モデル。
モデルライフは2008年デビューから2023年までの16年間。その間に一度マイナーチェンジを行い、その他バリエーションモデルを多数輩出しながらも2023年9月ついにその伝説の幕を閉じた。
すでに現地では2024年モデルの発売が始まっており、同時に発表済みのEVマッスルカーコンセプトの実現を待つばかりとなっている。
で、2023年9月に生産終了となったチャレンジャーではあるが、すぐに販売車両が尽きるということはない。
おそらく新車在庫が多数あるだろうし、日本で言うところの新古車的存在も多数あるだろうから、まだまだ買おうと思えばチャレンジャーの新車は買えるはず。
だがそれは本国アメリカでの話。そのチャレンジャーたちがこの先日本に上陸してくることはほぼないと言える。
まずは為替の問題。現状1ドル150円にも迫る円安傾向により、もし日本に上陸してもかなりの額になるのは間違いない。
そして変更が加わった日本の法規的問題。むしろこちらの方が重要である。2023年4月以降に生産された車両に対する加速騒音の規制がかなり厳しくなったのだ。
ある業者スタッフによれば、「日本のカローラレベルでも落ちるほど厳しい」というから、アメ車の、しかも6リッター越えのV8サウンドは99%無理に近い。しかもその法規制は2024年7月にさらに厳しくなるというから参る。というか完全なる並行車潰しだろう。
ということで今後、日本に輸入される車両があるとすれば、2023年3月以前に製造された車両ということに今はなるだろ。だが、円安為替もあるから、輸入するのもそう簡単な話ではない。ほんと輸入業者泣かせの時代である。
一方ユーザー側に立って考えれば、この先チャレンジャーを購入する場合、今現在日本にある新車、もしくは中古車からセレクトすることが必須になる。
もっと言えば、今後個体数が増えることはないだろうから、ある程度旬な状態を維持した個体に乗りたければ早いに越したことはない。
当然ながら、そうした状況下で購入する場合は、ベース車両の程度の安定や購入後のアフターケアの適正化が行えるショップで買うのが望ましい。
ついでに言えば、生産終了となったことで、この先のアフターケア、もしくは純正パーツ等の交換やパーツ手配においては、チャレンジャーを専門的に扱うショップ、できればアメリカとコネクションのあるショップが断然有利に働くことは間違いない。
ということでBCDの認定中古車をご紹介。BCDがアメリカ本国から自社流通にて直輸入したBCD車両がベースになっている中古車だ。
ベースとなるBCD車両は、BUBUのカリフォルニアにある支社が車両コンディションを見極めた上で玉個体を日本に直輸入した車両であり、それらを購入する際にはBCDオリジナル購入プランを利用した車両が多く、よって販売後もBCDにおける管理車両としてメンテナンス等を受けてきた車両たち。
すなわち購入後に3万キロ走行した場合であっても、その3万キロ内に「いつ、何の整備をしたか」の履歴が明確にあり、もしくはトラブルがあった場合は「どんなトラブルがいつ起こったか」の履歴が残っている車両である。
一般的に中古車とは、どこで誰が乗っていたかも含め、様々な使われ方から様々な消耗や摩耗が起こり、それらが複雑に絡み合った程度となって後々現れる。そしてそれらを完璧に見極めることはある意味不可能に近い。2オーナー、3オーナー車ともなればなおさらである。
だから、そうした中古車を購入するにあたってリスクを減らすことを考えれば、履歴のハッキリした車両を購入する方が、そうではない車両を購入するよりもリスクを減らせる可能性は断然高い。
BCDが販売を行っている認定中古車とは、まさしくそうした自社管理による履歴のハッキリした車両ということである。くわえてBCDはカリフォルニアに支社があり、日本人スタッフもいる。当然、チャレンジャーの純正パーツ等の手配はお手の物である。
さてそんなBCD認定中古車のチャレンジャー。2019年型ダッジ チャレンジャー R/T スキャットパック。3.2万キロ走行の認定中古車。
フロントリップスポイラーにカーボン製の社外品が装着されているが、それ以外はフルノーマル。
ボディカラーはホワイトナックルのシンプルな仕様だが、モパー系のイケイケカラーとは異なり、シンプルである分いろいろな方に似合うカラーであると思う。
これなら仮にブームが過ぎ去っても飽きずに長く乗れるのではないだろうか。
4年落ちの走行3.2万キロということで、年8,000キロ走行と考えれば、逆に非常に程度が良いと思えるほど、個体はクリーンな状態である。人の触れるステアリングやバックシートに若干の使用感はあるが、それも気になるレベルでは毛頭なく、当然の痕跡程度のものなので、十分に納得出来るだろう。
聞けば、BCDにおいてもチャレンジャーの在庫車がほとんどなくなり、仕入れもかなり厳しい状況にあるという。この先も不透明ということだから、こうした程度安定の中古車があるうちに入手した方がいいだろう。