BUBU × AMESHA WORLD

デビュー当時は世界最高レベルの性能を誇る

“BUBU×アメ車ワールド” 2010年モデル シボレー コルベット ZR1

アメリカでは未だC6時代のZO6とZR1の人気がえげつないほど高い

文/石山 英次写真/古閑 章郎

いま日本で入手出来る最高レベルの個体かも

今年いっぱいでカマロ、チャレンジャーが生産終了になり、来年以降新車で入手可能なハイパフォーマンススポーティカーはマスタングとコルベット C8だけとなる。

だがマスタングの最新車両は、OTAと呼ばれる無線通信によるソフトウェアの更新作業があり日本だと無理なため非常に難しい状況が考えられるから、今のところ入手に不安がつきまとう。コルベット C8に関してはスーパースポーツ級の価格帯のため容易く買える代物ではない。

ということで、この先アメリカンスポーツおよびマッスルカーを入手したければ中古車が中心となるのだろう。

で、そんな中、ちょい乗り程度を想定しているのであれば、さほど困難な中古車選びにはならないだろうが、「いつかは欲しい」と特定車両をずっと待っていたような方であれば、程度良好車を早いうちに入手した方がいい。

車両イメージ2010年型コルベット ZR1のBCD認定中古車。走行5.2万キロということだが、取材した限りその距離すら走った感じがしないほどコンディションの良さが際立った個体だった。
車両イメージ中古車であるが、ボディやホイールにもキズや痛みがないし、美しいブルーメタリックのボディカラーも健在で、抜群のプロポーションを誇るC6コルベットの魅力を一段と引き立たせていた。

有り体に言えば、この先、アメリカ本国から現地の中古車が日本に上陸することは考えづらい=日本における中古車個体の数が劇的に増えることは100%ない=今、日本にある個体から選ばざるを得ないし、程度良好個体はどんどん減っていく。

だから早い者勝ちではないが、程度を優先した中古車選びを素早く行うべきである。今後アメ車の中古車を購入する場合、このような状況は常に頭に入れておくべきだ。

そんな中でのコルベット ZR1。C6コルベット時代のハイパフォーマンスモデルだ。

アメリカでもコルベットのFRモデルは価値が爆上がりしており、中古車がプレミア価格になっている=円安相場も加わり、仮に日本に輸入すれば中古車ですらかなりプライスが想像される。

そんな中でのC6 ZR1。ZR1のデビューは2008年で、当時、C6コルベットにはZ06もラインナップされていたから、今思えば相当贅沢な時代であった。

車両イメージ数々のレーシングテクノロジーが注入された6.2リッターV8スーパーチャージドエンジンは、647ps/6,500rpm、最大トルク83.5kg-m/3,800rpm発生させる。
車両イメージエンジン内部の状況を見てもコンディションの良さがわかるだろう。
車両イメージリアルカーボンボンネットに貼られた樹脂製のクリアパネルの中には、珠玉の名機の一部が見える。

ちなみに余談だが、2000年から2010年あたりはアメ車バブルの時代と言われ、今では想像もつかないほど魅力的なモデルが企画&製造されていた。

例えばシボレー SSR、キャデラック XLR、クライスラー クロスファイヤー、ハマー H3、ダッジ ラムV10、フォード GT、フォード サンダーバード、ポンティアック ソルスティス、ジープ コマンダー(V8搭載)etc

で、コルベット ZR1もそんな時代に企画されただけあって、そのパフォーマンスは当時の世界最高レベルを誇る=アメリカでは未だにC6時代のZ06とZR1の人気がえげつないほど高く、現地の方々でも入手することが困難なほど。

逆に、日本のコンディション良好の個体を、アメリカからわざわざ買いに来ることもあるというくらいだから(日本にある個体はアメリカ人の想像をはるかに超えるほど程度がいいらしい)、その人気ぶりがわかるというものだろう。

車両イメージヘッドライトのクリアレンズにも劣化は殆どない。内部にもボディ同色のカラーリングが使用されている。
車両イメージフロント285/30ZR-19インチ、リア335/25ZR-20インチタイヤを装着している。
車両イメージブレーキはフロント6ピストン、リア4ピストンのブレンボキャリパーにカーボンセラミック クロスドリルドローターの組み合わせ。

ではC6ZR1の何がそんなに凄いのか。

まずエンジンに数々のレーシングテクノロジーが注ぎ込まれ(チタン製のコネクティングロッドやインテークバルブ、ドライサンプ式オイルシステムetc)、搭載されている6.2リッターV8OHVスーパーチャージャーは647ps/6,500rpm、最大トルク83.5kg-m/3,800rpmを発生させる。ミッションは6速MTのみ。

ボディは軽量化を実践し、フレームをアルミ、一部ボディパネルにカーボンを使用(ルーフ、ルーフレール、ロッカーパネルetc)し、車重は1530kg。今の基準で言えばめちゃくちゃ軽い。

このスペックでのパワーウエイトレシオは驚異の2.36kg/ps。0-400m加速は11.3秒を誇り、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットの北コース(全長20kmを超える)を7分26秒4で走り抜け、ポルシェターボやダッジバイパーを抜き当時の世界最速の市販車ラップを記録したのである。

これまた余談だが、現行トヨタ スープラはZR1よりもひと回り以上小さいボディで車重が1,520キロ。そして340psの直6エンジンを搭載するが、これと比較するだけでもZR1がいかに軽くパワフルかつ速いかが想像できるだろう(直6よりもV8エンジンの全長サイズは短くOHVなのでより低く搭載されている)

そんなコルベットC6時代の名品とも言えそうなZR1がBCDに入荷。正確にはかつてBCD車両として販売された車両が戻ってきたBCD認定中古車両だった。

車両イメージシンプルなインテリアであるが、走るためのコックピットと考えれば納得。十分にタイトなスポーツカーさながらの室内空間。
車両イメージまさにスポーツカーのための6速マニュアルシフト。手首のひねりでコントロール可能。クラッチ操作も一般的車両と変わらない。
車両イメージ随所にカーボンパーツが使用されているが、そう言った部分にキズや劣化がないのも状態の良さを物語っている。

言うまでもないが、BCD車両とはBCDが独自に程度良好車をカリフォルニアから日本に直輸入した個体であり、認定中古車とは、BCD車両として販売された車両が乗り換え等によってBCDに戻ってきた車両のことを指す。

当然、その間にBCDによって車両精査と点検&メンテナンスが行われており、何よりBCDの管理ユーザー車として定期的なコンディションチェックが行われていた車両であるから、個体の状態とこれまでの過程が良く分かるから、そうでない車両よりも安心感が断然高い。もちろん無事故車両である。 

ZR1ほどのハイパフォーマンスモデルだからこそ、そうした定期的なコンディションチェックは必須であり、そんな中での13年落ち5.2万キロ走行は年平均4,000キロとかなり少ないレベルであるから、その価値は今でも高い。

アメリカだと10万キロオーバーの個体がザラで、それでも余裕の8万ドルオーバー超というから、それと比較するだけでもいかに状態が良いかわかるだろう。

車両イメージアナログ6連メーターの雰囲気も良好。
車両イメージシート自体のホールド性は抜群。中古車としてはレザーシートにシワが刻まれている程度。抜群のコンディション。

実車を見たが、レザーシートに若干のシワが刻まれているが、瑕疵やヤレを感じさせる部分は全くなく、外装やメッキホイールの状態も良く、言われなければ5万キロを超えていることすら感じさせない状態だけに掘り出し物と言っても過言ではない。もし探している方がいるなら必ずや見るべき個体と断言できる。

それにしてもFRコルベットは美しい。最近C8に慣れてきていたからか、改めて見ると抜群のプロポーションである。スパッと切れた感じのリアテールが最高で、ブルーメタのカラーもいい。はっきり言ってこんな状態の個体があること自体に驚いた。

FR時代のコルベット、しかも数少ないハイパフォーマンスモデル・ZR1の程度良好車に乗れる最後のチャンスと言えるかもしれない。

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