既存のオフ系SUVとは異なるアウトドアテイスト満載の面白い存在
BCDならではのエッジの効いた選択肢
文/石山 英次写真/古閑 章郎
BCDは、チャレンジャーやマスタングといったアメリカンマッスルカーを中心としたラインナップのイメージが強いかもしれないが、実際には前回紹介したようなビンテージ系車両を扱っていたり、今回のようなSUV系車両も多く取り揃えている。
もちろん販売の中心は現代版マッスルカーではあるが、例えばチャレンジャーやマスタングに乗っていたオーナーさんが、「家族構成の変化によって4ドアを求められた場合」にも対応できるようSUV候補の品揃えも豊富である。
そうしたSUV系車両も、もちろんBCD車両なので走行距離の短いコンディション良好な個体が中心となり、当然ながらBCDのオリジナルプランも使用可能である。
くわえてそのSUV系ラインナップにもBCDらしいエッジの効いた、ひと味違う面白い存在が中心となっているので、既存のSUVファンにも是非オススメしたい。
近年、世の中的にはSUVが人気である。なかでも昨今のアウトドア志向の高まりによりジープ系SUVやランクルといったオフロードをイメージさせるSUVが人気である。
ただその一方で、前記のようなオフ系SUVの土臭さがあまり好きではない、という方も多い。
そんな方々にオススメするのはエクスプローラー ティンバーラインだ。
2011年にデビューした第5世代エクスプローラーは、モノコックボディ+横置きエンジン&FF駆動を採用にした事で、初代以来続いてきたトラックベースを捨てた。
そして燃費向上に不可欠な軽量化とエンジンを搭載し、路上での快適性向上が図られた革新的アメリカンSUVだった。
9年後の2020年に新たなフルモデルチェンジが行われ、第6世代が登場した。この第6世代の基本構造は第五世代とほぼ同じであるが、駆動方式がFRに変更された。もちろん四輪駆動である。
ボディサイズの変化は旧型比でほとんどないために(ホイールベースが若干短くなった)、デザインと駆動方式の変更が大きな特徴になる。
搭載されるエンジンは、3リッターV6エコブーストターボと2.3リッター直4エコブーストターボで、前者は最高出力365hp、最大トルク380lb-ft、後者は最高出力300hp、最大トルク310lb-ftを発生させ、どちらのエンジンも10速ATと組み合わされている。
そんなエクスプローラーの2022年モデルに追加されたのがティンバーライン。エクスプローラーをベースにアウトドア性能を高めたモデルである。
具体的には最低地上高を10.6インチ(約27センチ)と高めることでクラストップレベルとし、アプローチアングルは28.5°、ディパーチャーアングルは23.7°で、スチール製スキッドプレート、トルセン式リミテッドスリップデフ、強化ショック、スプリング、スタビライザーバーなどを装着している。
一方エクステリアにも手を加え、まずはボディカラーに新色のフォージドグリーンメタリックを採用。またヘッドランプとテールランプの周りにブラックアウト処理を施し、ブラックのフォードオーバル、Cピラーとリフトゲートにティンバーラインバッジを装着している。
ホイールは18インチグロスブラックペイントとなり、総じてノーマルエクスプローラーとはひと味もふた味も違う存在感を発揮しているのである。
もちろんレーンキープアシストやアラウンドビューモニターといった安全・快適装備も充実しているから、現代車としての質感及び安全装備による安心感も段違いのレベルである。
ということで、取材車である。2022年型エクスプローラー ティンバーライン。搭載エンジンは2.3リッター直4エコブーストターボで、走行距離は約900キロのBCD車両は、まんま新車のような佇まいである。
初めて見たティンバーラインだが、一瞬で心を奪われる。めちゃくちゃカッコイイ。深緑と言えそうなボディカラーもいいし、フロントバンパー下部に入るオレンジのアクセントも効いている。
ベースは世界一売れているSUVのエクスプローラーであるが、そこに加わったアウトドア系カスタマイズによるアレンジによってまた違った雰囲気を発し、豪華絢爛なアウトドア仕様SUVのような印象に様変わりしている。もちろんそこにはオフ系SUVの持つ土臭さ&無骨さは微塵も感じさせない。
インテリアの質感、雰囲気、そして個体の程度も抜群に良く、オレンジのステッチが使われている軽快さと防汚性の高いシートライナーやシートトリムの組み合わせにアウトドア仕様の雰囲気を感じさせる。
それでいて全体的な雰囲気はまるでレンジローバーかと思わせるようなところもあるから、質感を含め、非常に価値の高い存在と言えるだろう。
くわえて販売しているBCDは、当然ながらフォード系電子デバイスVCM3を使用した整備が可能であり、同時にこれまでマスタング系で培ってきた整備的なノウハウも非常に豊富であるから、アフターに関する不安は皆無と言っても過言ではないのである。
どちらかというと乗用車的乗り味を持ち合わせたSUVこそがエクスプローラーであったはずだが、そこにアウトドアのエッセンスを加えてできたティンバーラインは、従来のオフ系SUVとはまた違ったオシャレな雰囲気を発した非常に魅力的な存在ということが言えるのである。そしてそこに目をつけたBCDはさすがである。