つい最近知ったが、チャレンジャーの「ラストコール」で6番目に発表されたブラックゴーストが今本国で8万ドルのプレミアムプライスを付けているという(笑)
ブラックゴーストは、ゲイタースキンと呼ばれるオリジナルグラフィックで飾られた300台限定モデルである。
それにしても8万ドルである。1ドル140円で計算しても1,120万円。それに車両本体価格が加わり、日本への輸送費や改善作業費等が加わればざっと見積もって2,500万円は超えるか?
それでも「買う」という方々が後を絶たないという。日本にもそうした人がいらっしゃるということだから、素晴らしいとしか言いようがない。
まあ、考えてみればR34 GT−Rの中古車が3,000万円とか5,000万円とかする時代である。ポルシェやベンツ、BMWに至っても通常ラインナップの上位には普通に2,000万円越えのモデルが数々並んでいる時代である。
くわえて世界的な話でみればレンジローバーの最上級モデル、3,200万円する5リッターV8ツインターボの530hp仕様は売れすぎて納車待ち3年以上となり受注停止というから、いつの間にやら高級車の標準価格は数年前の1.5倍以上くらいには確実になっているのだろう。
上記のブラックゴーストであるが、日本にて入手を待ち望んでいる方は、複数台の高級車をお持ちといい、「欧州車と比較すればそんなに高くはない」ということだから、そういうことなのだろう(笑)
さてそんなチャレンジャーだが、あと一年ちょっとで生産終了である。ダッジの親会社であるステランティスは着々とEVシフトを進めており、つい最近もジープ ラングラーのPHEVモデルの日本国内受注を開始させているから、徐々にではあるが確実にそうした時代の到来がやってくる。
余談だが、ラングラーも現行型が最終型だと思っている。だからチャレンジャーにラングラー、歴史に残る名車もあと少しということである。
「だからその前に最後の1台を」ということで、初めてのチャレンジャー及び乗り換えチャレンジャーとしてオススメの車両を紹介したい。
で、絶対に一度は乗りたいモデルとして6.4リッターV8エンジン搭載車をオススメする。
多くのファンから「そんなに変わらないでしょ?」とよく聞かれるが、いやいや、「全然違いますよ」と答える5.7と6.4との差。
■HEMI 5.7リッターV8:375hp@5150rpm、410lb-ft@4300rpm(MT車)
■HEMI 6.4リッターV8:485hp@6100rpm、475lb-ft@4100rpm
スペックにして約110hp、最大トルク75lb−ftの違いだが、実際には数字以上に体感上の違いがある。だからもし今5.7リッターに乗っているなら是非とも一度は6.4リッターに乗って欲しいし、またこれからチャレンジャーに乗るなら、一気に6.4リッターへ行ってはどうか、と思う。
もちろん、排気量による自動車税の違いが年2万4,000円ほどあるが、所有した満足感はきっとそれを上回るはず。
しかも世界中から消えかけている大排気量V8NAエンジンという点においても、もしくはメルセデスやBMWといった他メーカーの外車オーナーに対しても極上の優越感で圧倒するはずだ。くわえてMT車ならなおのこと圧倒する!
歴史に残る名機、6.4リッターV8エンジンは、低回転域から3,000rpm程度まで回せば十分に楽しめるから、街中でも楽しく、高速道路の加減速で楽しく、とにかく身近に楽しめるのが最大の特徴であり、現代アメリカンV8の魅力(サウンド、トルク感といった感触)の最高峰を所有する醍醐味が味わえる。
2022年型 R/T スキャットパック。走行距離約300キロのBCD車両。この車両の極めて素晴らしいポイントは、まるで新車のような佇まい。そしてある意味ワンオフ的な一体感。
まずワイドではなくノーマルナローボディにグラナイトというグレーメタリック風のボディカラーが新鮮であり、いわゆるガンメタと言える流行りのカラーがブラックよりも似合っている。それにシェイカーパッケージが装着されているから、旧時代のチャレンジャーを連想させるカッコよさ。全体のトーンが統一されていて非常にシックなチャレンジャーに仕上がっている。
それでいてMT車というから、乗って楽しく、飛ばして速く、現行チャレンジャーにおける人との差別化にはもってこいの一台ではないか。
別の記事でサブライムグリーンの個体を紹介しているが、そうした原色カラーがもたらすチャレンジャーのヤンチャな感じが一切ないから、それとは対極をなす大人なムードを求めるファンに最適ではないかと考える。
それでいて超硬派な印象も与えられるだろうから、硬軟自由自在に対応可能なチャレンジャーとしてお勧めである。