考え得るベストな直輸入システムと各種対応により
BCD車両の信頼性の高さが担保されている
文/石山 英次写真/古閑 章郎
前回のBCD阪神店の記事にて、BCD車両がカリフォルニア支社から日本に送られ、横浜港から横浜店に到着、そこで行われる作業について紹介している。
ここからは、自社の陸送にて横浜店から阪神店に到着した車両が、売約済みになりオーナーに収められる前に行われる作業について紹介する。
BCD車両とは、アメリカ本国のコンディション良好車を日本に直輸入しているのだが、そこで最も重要視されていることは、高年式車両かつ内外装がクリーンであること、そして走行距離の短さである(事故歴なしは当然のこと)。
「走行距離だけが中古車を図る物差しではありませんが、それでも少ない方がメカに関しては状態が良いものが多いのは事実です。中古車も走らせずに何年も置きっぱなしにすればそれこそメカのヤレも起きるでしょうが、高年式車であり、距離が短ければそれだけ『走行』による各部のヤレは確実に少なくて済みますから、当然消耗品の交換率やトラブル率も少なくなると言えます」と阪神店メカニックの藤井氏。
実際、藤井氏は阪神店にてこれまで約2年間作業を行ってきて、のべ100台以上のチャレンジャーの各種作業を行ってきているというが、自社で販売したBCD車両に大きなトラブル事例が行ったことは一台もないという。
要するに、チャレンジャーにてトラブルが起きた車両のほとんどが5万キロ以上の走行距離を刻んだ車両であり、そのうち、あくまで概略だが、コンピューター系トラブルが3割、整備不良が2割、残り5割が消耗品の交換時期という認識であるという。
ちなみに、この消耗品の交換であるが、日本車では10万キロ以上走行しないと交換しないようなパーツも含まれているというから、その部分における思考転換は必要だとも教えてくれた。
というのも、アメリカの場合、日本と違い車検制度がないから、各パーツの寿命はそれほど長くない=車両マニュアルに沿って定期的に交換することが求められている。
だから距離を走ればそうしたパーツの交換が必要になり、もしくは車載コンピューターが異常を検知しメーター内にランプを点灯させるから、それをベースに各種交換作業やメンテナンスが求められるのは当然のことなのだ。
全くの余談だが、こうした上記のような走行距離を刻み、消耗パーツが出始めた段階の車両、例えば2014年型チャレンジャー R/T、6.5万キロ走行車を398万円にて購入すれば、購入直後からメーター内にトラブル異常を訴えるランプが点灯し始めたり、もっと酷ければエンジンがかからなくなるなんてことが起こることだって可能性としてあり得るわけである。もちろん整備済みで販売されている車両もあるだろうから一概に全てに起こるとも言えないのだが。
BCDの場合、カリフォルニアにBUBUの支社があるから、こうした現地でのトラブル事例や交換パーツの情報が入手できるほか、日本にて正確な整備が行えるようアメリカ本国のディーラーが使用している電子機器・ワイテック2.0もを導入して使用しているから、コンピューター関連におけるアップデートやリコール対応、さらには日本国内でのトラブルコードの読み出しやそれに基づく整備対応までを行っており、まるで現地ディーラーと同様のコンディションのまま日本で乗れる状態が確保されている。
そして納車前には当然、各部の再チェックが行なわれている。以下は納車前の確認チェックである。いわゆる法定12か月点検に基づく26のチェック項目であり、その中でいくつかのパーツや油脂類の交換が行われ、最適な状態で納車される。
<以下、チェック項目一覧>
1.パワーステアリングのベルトの緩みや損傷
2.ブレーキペダルの遊びと踏み込んだときの床とのすき間
3.ブレーキの効き具合
4.サイドブレーキの効きしろ
5.サイドブレーキの効き具合
6.各種ホースやパイプの漏れ、損傷、取付状態
7.マスターシリンダーやホイールシリンダー、ディスクキャリパーのオイル漏れ
8.ブレーキドラムとライニングとのすき間
9.ブレーキシューの摺動部分とライニングの摩耗
10.ブレーキディスクとブレーキパッドとのすき間
11.ブレーキパッドの摩耗
12.タイヤの状態
13.ホイールナットとホイールボルトの緩み
14.クラッチペダルの遊びと切れたときの床とのすき間
15.トランスミッションのオイル漏れと油量
16.シャフト連結部の緩み
17.点火プラグの状態
18.点火時期
19.ディストリビューターのキャップ
20.バッテリーターミナル部の接続状態
21.排気の状態(排気漏れ)
22.エアクリーナエレメントの状態
23.エンジンのオイル漏れ
24.ファンベルトの緩みと損傷
25.冷却装置の水漏れ
26.マフラーの取付けの緩みと損傷
上記項目のチェックが一つ一つ行われる中、まずは油脂類の交換が行われる。そしてバッテリーも新品に交換される。さらにチャレンジャーに起こり得る症状の一つであるウォーターポンプのガタや排気漏れの確認を行い、各種チェックの中に万が一基準に達していない箇所があれば当然リニューアルされる。
そしてメカ的な部分の確認を終えた後にワイテック2.0を使用し、コンピューター系の各種最終チェックを行った後に納車される。
「これでも100%完璧な状態です、とは言えないとは思いますが、ですが少なくとも考え得るベストは尽くしていると思います。実際、納車後のトラブルはほとんどありませんし、ベース車両の良さも含め、BCD車両ならではの価値を出せていると信じています」
本国現地でベストな車両を探し日本に輸入し、日本にてBCDスタッフのチェック及び外部の第三者機関のプロにてボディやフレーム等の事故歴を最終確認、そして阪神店にて的確な整備対応を行っているBCD車両は、少なくとも考え得るベストな直輸入システムと各種対応であり、だからこそ多くのユーザーに支持されていると言えるのである。